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コラム
          コラム No.3

          ハイブリッドカーの音その3

          2008.3.3


           No.1とNo.2のコラムではハイブリッドカーの音問題を紹介し、その解決策としてエンジン模
          擬音を付加することを提案しました。今回はその技術について述べたいと思います。

          エンジン模擬音を人工的に出す方法としては機械的手段によるものと電子的手段によるものに
          大別されます。前者は例えば回転する部品を用いて音を出す方法です。また後者はデジタルや
          アナログの電気回路を用いて音を合成する方法です。

          機械的手段による方法は簡便でコストも低くすることができるかもしれませんが、おもちゃの
          自動車のような安っぽい音になりがちであり、音の制御も簡単にはできません。

          電子的手段による方法はコストは多少かかるかもしれませんが、音色の自由度が高く、音量も
          簡単に制御できることが利点です。ただし、リアルなエンジン模擬音を出すためには、どのよ
          うなアルゴリズムで合成するかが重要になってきます。

          テレビゲームなどでは既に自動車のエンジン音がリアルタイムで合成されていますが、それは
          録音された定常運転音をループ再生しているだけなので、負荷がかかった急加速走行の音など
          はどうしても不自然に聞こえてしまいます。

          弊社が研究している方法はエンジンの1気筒分の音を単発音として記録し、それを制御しなが
          ら再生するというものです。単発音はエンジン回転数と負荷をパラメータとして複数用意し、
          毎回の発音は音圧波形や音圧振幅をきめ細かく制御しながら行われるので、どんな運転状態で
          もリアルな模擬音を出すことができます。これは私(前田)がヤマハ発動機時代に開発した技
          術ですが、今後さらに改良して実用化したいと思っております。


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