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サウンドデザインラボ合同会社
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●プロジェクト報告

 

 

エンジン音快適化プロジェクト

(自動車のエンジン音は弦楽器の音と同じ特徴があった ! )

2012.7.9

 

3.分析

 

前記のように収録した音についてまず周波数分析を行いました。自動車の音はギヤを2速に

固定して(CVTでは変速あり)アクセル全開加速走行したものです。加速走行音は非定常音

なのでスペクトルの時間変化が分かりやすいように分析結果は横軸に時間、縦軸に周波数

をとり、音圧を色で示すスペクトログラムで表示しました。その結果を下図に示します。なお、

各図をクリックすると音を聴くことができます。

 

 

<自動車の音>

C12
C22
C32
C42
C52

 

 

通常エンジン音は次数成分と広帯域成分から構成されていて、スペクトログラムで右上がり

の筋状に見えるのが次数成分です。次数成分はエンジン回転数の半分の周波数を基準(基

本周波数)としてその整数倍の成分(倍音)から成っていて、各次数成分の大きさのバランス

はエンジンの仕様によって異なります。一方広帯域成分はランダムな音で、高い周波数にな

るほど音が小さくなります。アクセル全開加速走行での車内音におけるエンジン音の寄与率

はかなり高いですが、ロードノイズや風切り音も多少含まれています。

 

自動車の音ではエンジン回転数が重要なパラメータになりますが、それは運転操作や変速機

構などによって左右されます。特に加速走行の場合はトルクコンバーターATとCVTではエンジ

ン回転数の上昇パターンが大きく異なります。ATは速度上昇に比例して回転数が上昇し段階

的に減速比が変化するのに対し、CVTは減速比が連続的に変化するので速度が上がっても

回転数上昇が頭打ちになることが特徴です。またC4のHVでは非常に複雑な変速制御がされ

ますが、結果的にはCVTと似たような変化をしています。

 

車種による音の違いはエンジン回転数の変化パターン以外に次数成分の周波数特性にも見ら

れます。例えばC1の音は他の車よりも高い次数成分が大きいことが特徴です。一方C5の音は

2次成分(基本周波数の4倍音)が特に大きく、高い次数成分はあまり大きくありません。他の車

もスペクトルにそれぞれ特徴があります。

 

 

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